奈良の先人の自邸に泊まる

デザイン

くるみの木のオーナーの石村由起子さんと知り合ったのは十年前。
私が淡路島に移住するきっかけになった厚生労働省の委託事業でセミナーの講師としてお招きした。
セミナーは全12回。ほぼ毎週淡路島に通ってくださるなんて絶対無理だと思いつつ、でも会いたい学びたい人だったので、スーパーバイザーだったgrafの服部さんの紹介で奈良に会いに行きました。
無事?口説きおとして、淡路島で講義を行ってもらった。
その時の資料も、言葉も、教えも今も残っていて、今の私の暮らしと仕事に活かされています。
それも年を重ねるほど、思い知るというか、より深く、はいってくるという感覚だろうか。

その後も節目にお招きしたり、会いに行ったり。
ありがたいことに交流は続き、今年自邸に招いていただきました。
ならまちにほど近い、落ち着いた町中に、古民家を改修されたちいさな平家。
設計は中村好文さん。
実際に住んで数年たった家を見せていただけること、そこで晩酌し、お風呂に入り、寝室で寝て、朝ごはんを食べる。なんてなんて贅沢なのか、、、、!!!
家の隅々まで見て触って確かめて。
ふんふん、トイレの鍵までかんぬきなのね、とか。
一棟貸のお宿も増えたけど、住宅と宿はやっぱり違うんだなと感じた。
ちょうどいい大きさと照度。そして暖かかった。

ゆっこさんのごはんはほぼお野菜で、ゲストのお酒とごはんの進み具合で調整しながら調理してくださって、年末年始でちょっと疲れ気味だった胃にとって、本当にご馳走で、最後まで美味しく食べることができた。この配慮、できないよなあ。すごい。

ゆっこさんは変わらずまっすぐで、誰も否定しない、そのままを受けとめてくださって。
しあわせとはなにか、夢の続きとか、経営の厳しさなど。
用意された彩りの食材をゆっくり食べながら、よくしゃべって、どぶろく飲んで。
(写真は滋賀のハッピー太郎醸造所さんのいちごのどぶろく。どぶろくのイメージが変わるくらい美味しいスムージーだった!!!お酒ですが。)
ぐっすり寝すぎた朝は、茶漉しでコーヒーをいれることを教えてもらって、初体験の白味噌のお雑煮とサンドイッチを食べて、また時間ギリギリまでこれからの話をしたこと。
貴重なこの体験を、私はもうゆっこさんに返せないだろうな、と思った。
私はこの体験をペイ・フォワードで繋いでいくしかないんだろうな。
このブログを書いたあと、ハッピー太郎醸造所さんのWEBを拝見したらコピーが『発酵でつなぐ、しあわせ』でどきりとした。
いただいたモノは誰かにつないでいく。私にできることはそれだけ。

そんなこの家で、私のこれからを話せてよかった。
ゆっこさんのこれからも聞けてうれしかった。
間違いなく、生涯忘れえぬ日になりました。

名古屋から奈良まで行く夕方の道中。なぜかナビは高速を示さず下道で。
お茶で有名な月ヶ瀬村の茶畑をくねくね下がったり上がったりする山道のなか、日は暮れていく。
ちょうど沈む頃、奈良市内が見えてきて。
私の奈良のイメージはなぜか夕暮れ。
素晴らしきトワイライト。

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